菜の花のバター炒めを子は食べておなかあかるくなったと言へり
歌集「桜の木ににぼる人」 より 大口玲子
暖色系、寒色系という色の分け方があるように、色にはそれぞれ、人の感覚を刺激する働きや性質がある。明るさ、暗さという明度からいうと、菜の花の黄色などはとても明るい。
その黄色い菜の花のバター炒めを食べたから「おなかがあかるくなった」という、
こどもの感性は本能的な感覚だ。食べるという行為で、菜の花と一体になった喜びが感じられる。
「心の花」の歌人、大口玲子さんは5年前の東日本大震災のおり、仙台から2歳の男の子と共に、一時長崎に避難していたことがある。先日より、何度かお会いする機会があり「こどもを詠う」への掲載のご了解を得た。