にぎやかは大好きだろうに園児らが帰らねば来ぬ雀の群れは
園児たちが帰った後の静かな園庭には、よく雀たちが砂浴びをしにやってきます。雀が地面に腹をつけ、砂を浴びるために羽ばたくと、ちょうどこどもの拳ほどのすり鉢型の穴ができます。特にお気に入りの場所には何個も。
雀は鳩のように図々しくなく(鳩好きの方ごめんなさい)、鴉のように威圧的でもなく、私たちの日常生活になじんでいる親しい鳥。たいていは何羽かで群れていて、陽気におしゃべりをするようにさえずりにぎやかです。
でも雀たちは、決してこどもたちがいる間は、庭にはおりて来ないので、こどもたちと雀の接点はありません。元気に遊ぶこどもたちと、のどかに砂浴びをする雀たちの両方を見ることができる私が、一番幸せということかもしれませんね。
十四、五羽群れいる雀のどの一羽「さあ飛び立とう」と言ったのだろう
~歌集「風に飛ばした」より~
古川典子