刃物もて色鉛筆をとぎやれば子が「おお」と言う十色の粉
古川典子
昔こどもたちは、鉛筆を研ぐために折りたたみの小さな小刀を、筆箱に入れていた。当然みんな刃物が使えた。今は電動式の鉛筆削りに鉛筆を突っ込めば、ガーッと2、3秒で事が完了する。どこかの鉛筆会社の入社式で、新入社員がナイフで鉛筆を削らされ、悪戦苦闘しているのをテレビで見たことがある。
そんな時代だから、ナイフで鉛筆を削ってみせると、こどもは目をまん丸にして、「スゴイ!」と尊敬してくれる。そして色鉛筆を刃物で削ると、色とりどりの芯の粉の美しさに「おお~」と声をあげる。